仁 - Typhoon Love

ニコニコ動画、は平素から利用させていただいており（といってもアニメと特撮観るためくらいですけど）、私も細々と楽器なんかを手にしたりする性分だもので、「演奏してみた」カテゴリをたまに覗きます。そいで、最近はこれがアップされていました。

なんだかんだで（β）くらいから観ていて、ベースの演奏動画でいえば最盛期は４～５年前くらいになるんでしょうけど、さすがにもうウケないだろう、と思ったのに１位とかになっているので、まだ根強いモノがあるのか、新しい視聴者が観ているのか、一応観とくかってので観るのか、不思議だな～と思います。

動画で視聴者を楽しませたいという目的と、趣味的な技術を練習したいという目的が上手く合致しての盛り上がりだったと思うんですが、昨今の中高生も観て、影響を受けるわけで、そういった演奏者さんがいわゆる中高生にとってのベース・ヒーローとなっている可能性も十分あって、私自身よくそういう趣味的な技術に傾倒していたところもあったことも考えると、これからそういうのに影響を受けた人たちがバンドを組んだりした時に苦労しそうだな、という気持ちが湧いたのがこれを書いている理由のひとつだったりするのです。

もちろんバンドには興味が無くて、一人で切磋琢磨する分には全く問題ないんですけれど、ダブルプルができたり４フィンガーで速いパッセージができたりスウィープできたりすることがありがたがられるジャンルのバンドをやってる人ってすごく少ないような気がしてならないのですね。そういう人たちが周りに上手えぞアイツ、なんて期待されていわゆるスタンダードなロックバンドとかに入って恥をかいてほしくないなあという気持ちがあります。私もそんな感じでしたから。

と偉そうなことを言っている私も別に堅実なべーシストではないので説得力を求められるともじもじしてしまうんですけど、若いうちからそういうことに気づけていたらきっと幸せだったろうな、と思うんですね。私がちゃんとバンドで音を出し始めたのはベースを初めて６年目くらいでしたから。

ただ、身につけて無駄な技術は無い、という村井研次郎の言葉もありますから、自分で自分を活かす曲を作るなり、アレンジにするなりというのもアクティブな人には良い方法だと思います。

しかしながら、これからはもしかするとプレイヤー自身のリズムに対するアプローチや、手元で音色、ニュアンスをコントロールするetcの技術、あとはレコーディング、ミキシング、マスタリングにおけるエンジニアの技術なんてのはどんどん需要が減っていくのかもしれないなあという思いもあったり。

それについてはついさっき私の友人のボカロＰ（ボーカロイドをフィーチャーして曲を制作、発表する人）がTwitterでリツイートしていたつぶやきなんかを見た影響で頭をよぎったことなので、実際はそんなに極端なことにはならないとは思いますが・・・

もちろんボカロＰではない私ですから、知ったような口を叩くことはできませんが、新しい時代に移り変わっていって、少人数ででほとんど全てのことが結構なクオリティで出来るようになって行くと同時に失われていくものもあって、それが音楽的な歴史（本当は魅力とかって言いたいけど誤解を招きそうなので）から見たときに意外と大事なものだったりして、それに誰も気がつかないまま無くなってしまったら嫌だなあ、みたいな雰囲気のことがぼんやりと頭に浮かんだっちゅうことです。

いい音or狙った音で、いい作品ができるならより労力や敷居が低い方がもちろんいいけど、「理想の音」って多分過去の「いい音」から見つけることが多いんじゃないかなあということが言いたいような気がする。多分。

とここまで書いた時点で、恐らく上記の方々も予算さえ潤沢にあれば、今のようなスタイルは取らずに理想のやり方で理想の音楽を作るんだろうなと今さら気付き、結局もじもじして終わる形になるのでした。

こういう考え方になるのはおそらく故佐久間さんの考えにちょこっと触れていたせいも大いにあるな。

音楽家が音楽を諦める時

http://masahidesakuma.net/2012/06/post-5.html

昨夜の投稿の追加文

http://masahidesakuma.net/2012/06/post-6.html

音楽における音情報

http://masahidesakuma.net/2012/06/post-7.html

あまりこういうことを記事にしないんですが、たまには中身がありそうな文も書かないとねということで・・・

BUCK-TICK聴いてたらちょっと元気が出たので、私も真面目にお金を稼ぐ努力をします。

少しだけサイドバーを整理しました。各リンクなんかもこちらに。