Typhoon Love

Poetry is nine years old

ランドリールームで倒れるまで踊る

漢劇WARRIORSの演劇『〜あるじかんげき Gong 2021〜トリプティク』を観ました。

ホラー作家の黒木あるじ氏が脚本を手掛がけており、全体を通して「選択」がテーマになっていました。

もしあの時別の選択をしていれば…という考えはよく私も悩まされるもので、最近もちょうど頭にあったためによく響いて丁度よかったです。

脚本が違うといつもとはノリも変わりアクションとかも控えめで、なんとなくぎこちなさもありつつまた新しい面を見せることもできていて楽しい経験でした。ホラーというよりも誤解を恐れず言えば世にも奇妙な物語的な。

次の公演も楽しみです。金曜の話。

 

 

土曜の話。

新宿ピカデリーで映画「マリグナント」を観ました。

午前中の時間潰しのために9時からの回。

前情報ほぼなしでジャケ買いならぬポスター見(み)で決めましたが、大当たりでした。

ホラーとエンタメが良い割合&タイミングで混ざっていて、R18ながらも結構幅広い層が楽しめるのではないでしょうか。デートにもいいくらいです。

調べたらSAWシリーズとかアクアマンの監督とのことで、なるほど怖さとアクションの魅せ方がばっちりだと思いました。

 

 

国立近代美術館で民藝の100年展を観ました。

大学で工芸を齧っていたので民藝となれば行かねばな、という。

久しぶりに大きい美術館で大きい展示を観たのでものすごく疲れてしまいました。会場はあったかく、厚着した自分が恨めしい。休み休み観ました。

 

塩谷舞さんの記事がバズっていました。

https://note.com/ciotan/n/n678ad04cf7ca

 

同い年なのになんと知識と情熱に溢れた文章なんだ。しょうもないブログしか書いてない私が恥ずかしい。

ミュージアムショップについてはD&DEPARTMENTのもの(各都道府県の)、柳宗理のもの(カトラリーとか)、そしてオリジナルグッズ(お菓子、カレンダー、マステ、ハンカチや手拭いなどの布もの、トートはこれにあたります)みたいな感じにざっくり分かれていたと記憶していますが、満遍ない客層に向けてならこんなもんかなとしか思わなかったのでなるほどそういう考え方もあるんだなと感心しました。

 

民藝の100年、と銘打ちつつも、実際の展示では柳宗悦が生きてた頃の時代がメインで現代の民藝の在り方や展望みたいなものについてはたいへん希薄だったので、展示に感心したお客さん的には当時の民藝を思わせるものが欲しくなっちゃうわけですが、実際は産業としては大規模展示のショップに(安価で)安定して陳列できるレベルに今はないでしょうから、そこでの妥協案としてD&Dや息子のものを展開しているんだろうな、と思われ、一方でそこまで響かなかった人やライトな層向けにはカジュアルなトートやお菓子とか(納期とか量とかもあるのかな)で対応、という判断かなと考えました。ショップ関連の担当者ら的にはやることはやった、って感じだろうなという印象でした。プロしか知らない舞台裏がたくさんあるでしょうから。

 

上でも書きましたが、改めて図録を見直してみると、概ね時系列に分けられた全6章が第1章の1910年代-1920年代初頭 から始まって第6章の1950年代-1970年代 で終わり、と全然100年じゃないぞということの方が個人的には不満がありましたし、2021年の今、民藝の理念が誰誰によってこういう形で扱われてますよみたいなところをもっと知りたく、当時より明快な居場所や新鮮な意義を保てなくなっているであろうここ直近の40年あたりにどういう扱われ方をしていたのか、みたいな部分も気になりました。そこがあればショップにD&Dとか柳宗理を置くのとも繋がって一石二鳥、にならないかな……

 

しかしながら今回の展示はただ時代をなぞるわけではなく、民藝の活動における、都市と地方との繋がりすなわち流通や、雑誌や美術館などメディアの利用すなわち編集、みたいなところを大きくクローズアップしていたので、そういう面を萌芽から100年経った現在に改めて見つめ直してみようよ的な意味の100年だったのかもしれません。見応えはめっちゃありました。

都道府県の民藝のセクションでは山形県のものが4点もあってちょっと嬉しかったです。

今回は行けませんでしたが久しぶりに民藝館にも行きたいです。あっちのショップの方がピンとくるという人もきっといるでしょう。

 

 

国際フォーラムでキングクリムゾンの来日公演の初日を観ました。

物販の先行販売目当てで15時半くらいに向かったらもう既に長蛇の列で、こりゃ無理かも、と思ったらやはり先行販売終了の16時半までには全然ハケず、そのまま物販列を入場列にすることで救済、みたいな扱いで無事にTシャツ買えました。嬉しい。

 

並んでいる最中に「全然列進まないけどどうなってんの!」とか「もう中に入れちゃえばいいじゃん」とか言うおじさんがちらほらいて、普段行くライブではまず見ない光景だったのでびっくりしてしまいました。スタッフの指示に従ってください。客よりずっと現場に詳しい人が待てと言ってるんだから待ってください。と思いました。

セトリ的には大満足で、1か2かどちらかをやるだろうけど好きなのは1だから1やってくれと思ってた太陽と戦慄Pt.Ⅰが聴けたのでもう悔いはありません。イントロが聴こえた瞬間乙女のごとく胸の前で両手を握ってしまいました。あとは好き度の高いPictures of a city、Islandsも聴けましたし。2日目は21st〜は演らなかったようなので聴けて得した気分です。

トリプルドラムは生で聴くとなるほど2でも4でもなく3人要るわ、と思わせられる音の説得力で、私は2階下手にいたせいでパットマステロットのドラムがよく見え、フォームの滑らかさと出音のヤクザ感に惚れ惚れしました。7人全員の音の分離が想像の100倍くらいよく、来日初日の1曲目からバランスが完璧で、ホールで2階だし何やってるかわかんなくなるかもなあなどと考えていた開演前の自分が恥ずかしくなるくらい音が良かったです。どうしてこんな風に聴かせられるのか本当に謎でした。なんで?

ドラムとともに感動したのはジャッコのボーカルで、声もよく伸びていて曲に合わせて歌い方も柔軟に対応していて、ッカー!と膝を叩きたくなる部分が何度もありました。

トニーのベースは常に意識して聴くようにしていましたが、もしかすると本調子じゃなかったかも?それでも文句のつけようのないプレイ。

近年のライブ音源を聴いて感じていたスターレス後半で切り替わる部分のテンポのもっさり感も生で聴いたら全然気になりませんでした。

 

久しぶりに素晴らしい音楽体験をしました。年老いてもやりたい音楽を演奏してお客さんを楽しませられるというのはなんともカッコよく、羨ましいですね。健康になろう。健康になれ。健康になれ杏寿郎……

 

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