Typhoon Love

Poetry is nine years old

ふぇあ うぇる

映画をいくつか観ました。

映画館では「ドライブ・マイ・カー」「Coda あいのうた」、借りて観たのは「リリィ・シュシュのすべて」「星の子」。

 

「星の子」は今村夏子の小説が原作で、そちらがとてもしっとり良い感じだったので観たら割とその感触を保ったまま映像化されていて安心しました。

カルト宗教の信者を親に持つ思春期の女の子の話で、起承転結というよりも承の部分にフォーカスして描くような感じです。

 

リリィ・シュシュのすべて」はおすすめされて観ました。

思春期のいじめとか援交とか自殺とかそういうものを架空のアーティストの存在を土台として描きます。役者の年齢とか、2001年という時代とか、そういうのもひっくるめて刹那的で、多感な頃に観ていたらもっと受け取るものが多かったろうなと思います。

 

「ドライブ・マイ・カー」は去年東京へ行った時に観ようか迷った末、時間が合わずに観られなかったのを後悔していたらなんと賞を取り地元でも再上映されるとのことで観ました。

ストーリーを説明するのが難しいので長いけど実際観てください。

淡々としてるけど退屈では全くなく、こつこつと積み上がっていく熱で終わる頃には謎の満足感だけ残るみたいな体験でよかったです。三浦透子は声もいい。

 

「Coda あいのうた」もススメられて観ました。今日。主人公は自分以外の家族全員聾唖者という境遇にありながら歌手を目指す高校生で、出てくる登場人物がどいつもこいつもいい味を出している上、ストーリーも気を衒うことなく良い話を良い演出で進めていて久しぶりに映画館で泣きました。奇しくもドライブマイカーに続き、こちらも聾唖者が登場人物にいることとなりました。手話やってみたい。

ジョニ・ミッチェルの曲が出てきたので久しぶりにシャドウズ・アンド・ライト(ライブ盤です)を聴いたら昔よりも歌やビートに耳がいって発見がたくさんありました。昔はジャコばっかり一生懸命追っていました。

 

母校の卒展もちらりと観ましたが、ここ数年では一番好みな感じでした。若くて美大でもない人は発想と気合でなんとかするしかないと思うので、そういうのを窺うことができて良かったです。こんなに毎年来てるの私くらいじゃないのか(多分行かなかったのは一回くらいしかないはず)。もう卒業して10年以上経つのに通ってしまうのは自分がいつまでも大人になれていない証明のような気もして若干凹みます。みんな親になったりしているのになあ(親になったら大人、とかそういうことではなく、子どもを持つことで得られるものは大きくそして尊いということ)。私はあの頃と何も変わっていません。少し優しくなったくらいでしょうか。

 

西村賢太氏が亡くなりました。

賞の時のイメージが先行している方も多く実際作品にも癖は多分にありますが私は楽しく(楽しく?)読ませていただいていたので大変残念です。

自分のカスさを開き直り正当化しつつも時折なんとも遣る瀬無くなったり、他人の評価が気になったり。それでもやっていくしかないという姿勢と、ちょっと笑って清々しくなるほどの罵り文句が読むたびに自分のろくでもなさを自覚できるようで好きだったのです。

読んでいない作品もまだまだあるので読みます。

 

 

明日は新しいプリキュアが始まります。